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Vol.32「オリヴァー・トウィスト」 ディケンズ

Photo 下記の作品案内は、代表的作家の生涯・主要作品が要領よく解説され、さらに充実の翻訳文献を付した、現在入手しうる最良の文学案内として好評を得ている世界文学シリーズからの一冊、「イギリス文学案内」(朝日出版社)より引用しています。


オリヴァー・トウィスト Oliver Twist1838長編小説

チャールズ・ディケンズ Charles Dickens18121870) 小説家

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解説

1837年から1839年にかけて月刊分冊で刊行され、単行本は1838年に出版された。ディケンズ最初の本格的小説で、悪漢小説の形式を用いて孤児オリヴァーが盗賊団の仲間に入って悪事を働くが、やがて立派な人間になるまでを描いている。

当時の新救貧法や養育院制度の非人道的な欠点を暴露し、社会改革家としての面目を示している点が注目される。筋の展開に不自然さはあるが、力強い迫力で読者を引っぱっていく。

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梗概

オリヴァー・トウィストは両親を知らないかわいそうな孤児である。彼の母は道ばたで倒れていたところを養育院へかつぎこまれ、そこでオリヴァーを生むと名前も告げずに死んでしまった。オリヴァーは他の孤児たちと一緒に、この養育院を管理する教区の小役人バンブル(Bumble)に意地悪をされ、残酷な待遇を受ける。

あるときクジで孤児の代表に選ばれたオリヴァーが、院長の方へ椀とスプーンを持って進み出ると「お願いです、もう少し下さい」(Please, sir, I want some more.)と粥をもう一杯哀願したので(第2章)、恐るべき子供として葬儀屋の小僧にされたが、そこを逃げ出してロンドンへ行く。

ロンドンではユダヤ人のフェイギン(Fagin)を首領とする窃盗団の手に捕えられ、フェイギンの相棒のビル・サイクス(Sikes)やその情婦ナンシー(Nancy)など、ロンドンの貧民街に巣食う悪党の仲間に引き込まれ、もっぱら悪事を仕込まれるが、オリヴァーはなかなか悪事にくみしない。

そのうちに情け深い紳士ブラウンロウ(Brownlow)氏に救われて一時保護されるが、マンクス(Monks)という奇怪な男にそそのかされた窃盗団に再び誘拐され、また悪党の手先に使われるようになる。そしてビル・サイクスに夜の荒かせぎに連れ出され、一軒の家にしのび込んだ時、オリヴァーは負傷して捕えられたが、その家に住むローズという若い養女に親切にされる。

ところがマンクスという男は、フェイギンを買収し、オリヴァーを永久に盗賊仲間から浮かび上がらせないようにと頼み込む。かねてからオリヴァーに同情していたビル・サイクスの情婦ナンシーは、この陰謀をローズとブラウンロウ氏に告げ、悪党たちの隠れ家を教えたため、ビル・サイクスに無残に殺される。

しかしすでに警察の手がまわり、フェイギンが逮捕されて絞首刑、ビル・サイクスは逃げまわったのち、泥棒道具のナワで誤って自分の首をつって死ぬ。こうして悪党はすべて滅び、やがてオリヴァーの素性も判明した。マンクスという男は実はオリヴァーの異母兄で、父の遺産を独占しようとたくらんで、オリヴァーを出生のはっきりしない悪党にしておこうと企てたのだった。またローズはオリヴァーのおばであることもわかり、ブラウンロウ氏はそうした事情を最も良く知っているオリヴァーの父の親友なのであった。オリヴァーはブラウンロウ氏の養子となって幸福な生活に入る。


「オリヴァー・トウィスト」

著者: ディケンズ

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2009/07/22