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2011年4月 6日 (水)

extra “room” in your life 「ゆとり」を持つこと

「ゆとり」というのはいつどんな時でも持っていたいものですが、特に何らかのピンチに陥った時、ふだんどれだけ「こころ」をはじめ、いろいろな場所に「余裕」や「ゆとり」を持っているかで、冷静な判断ができるかどうかが左右されると思います。「ゆとり」は抽象的なもので、状況によって意味合いが大きく変わっていきますが、英語で一番近いのは <room> というとても一般的な単語を使った表現です。まず、<room> 自体の意味は以下です(E-DIC より):

room
(1)部屋、室
(2)(rooms)で貸間、下宿
(3)室内の人々
(4)場所、余地、空間
(5)機会;余裕

マンションの「ワンルーム」など、和製英語としても <room(部屋)> は一般的に使われますが、物理的な意味以外にも、「余地」や「余裕」などの、抽象的な「可能性」の意味があるのがわかりますね。ビジネスの交渉ごとなどで「譲歩する余地」を使うことがありますが、これは以下のように表現します:

Is there any room for further compromise on your part?
(そちらにさらに妥協していただく余地はあるでしょうか?)

<make room for~> は「~のためのスペース、余地を作る」という意味です。もちろん物理的に新しく買った家具などを部屋に置くために「空きスペース」を作るためにも使われます:

We moved the dresser to make room for another bed.
(ベッドをもう1つ入れるスペースを作るため,洋服ダンスを動かした)
E-DIC より)

「可能性」では、企業内で、何か生かされていない人的資源がある場合に「さらに成長の余地がある」と言ったりしますが、それは以下のように表現します:

Given our company's asset of highly experienced engineers, there is room for further growth by cultivating potential demand.
(わが社の経験豊かな技術者という(人的)資源からすると、潜在的需要を開拓してさらなる成長を遂げる余地がある)

また、自分の感情などに関して使うときは、ネガティブな意味合いで「余裕がない、 ゆとりがない」ことを <don't have room> で表します:

I'm too busy with my job and don't have room in my life to start dating someone.
(今私は仕事で忙しすぎて、誰かと交際を始めるゆとりはない)

ただ、上記の表現は、「まったく誰かを受け容れる余地はない」という、とても強い表現になりますので、自分自身に対して言うことは結構あるかもしれませんが、下の例文のように、誰か特定の人に対して言う時は強い拒絶の表明になりますから、よっぽどのことがなければ使わないほうがいいでしょう:

I don't have room for you in my life.
(僕の人生に君のためのスペースはない)
(僕の人生に君を受け容れる余地はない)

こんなことを言われたら日本語でもショックですよね(苦笑)。最後はポジティブな表現で終わりたいと思います:

You should always have some room in your heart to welcome new things.
(新しいものを受け容れるためにいつも心のゆとりを持つべきです)

最近「断捨離(だんしゃり)」という、古いものを捨てて、新しい運気を招きいれるという風水的な考え方が流行っていますが、まさにそれと同じですね:
 
In any case, it's always good to have some extra room rather than being short of it!
(いずれにせよ、いつもゆとりを持っている方が、ないよりもいいことです)