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2009年5月 6日 (水)

熊さんと雄牛の強気と弱気:
Are you "bear" or "bull"?

bear bull と聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょう?   もちろん日本語では熊と雄牛です。この動物に対して、どんなイメージを持っていますか? 多くのかたがどちらも「強い」という印象をお持ちなのではないでしょうか。でも英語では片方が「弱気」を意味することがあるんです。

IMF(国際通貨基金)が世界中の金融機関の損失が4兆ドルに上るという試算を発表した一方、ゴールドマン・サックスが予想を上回る好業績。まだまだ底が見えないのか、あるいは底を打つ兆しがあるのか、景気動向に関してさまざまな意見が飛び交っています。ここで、欠くことができないキーワードが

bear



bull

です。

4月20日付けの Wall Street Journal 紙の Money & Investing(金融と投資)セクションで一番大きな扱いの記事の見出しが以下でした:
(URL:http://www.filife.com/stories/opposing-views-on-us-stock-rally

Opposing views on U.S. stock rally: bulls see more gains as credit is on mend; to bears, that's crazy.

日本語にひとまず直してみましょう:

「米株価上昇に関して見方が対立: <雄牛-bulls> は金融市場が改善する中で更なる利益も視野に。だが <熊-bears> はそれは有り得ないと考える」

これで何となく意味が見えてくる気がしませんか? 記事のサブタイトルで答えがわかります:

Optimists, pessimists duel over outlook for stocks.
(楽観主義者と悲観主義者が株価の今後に関する意見を闘わす)

duel over ~  ~に関して決闘する

この bear/bull は金融界ではごく一般的な表現で、 世界中で使われています。

意味としては <bull> が市場に対して楽観的で攻めの姿勢=「強気」であるということ、 <bear> は悲観的で守りの姿勢=「弱気」である、ということになります。一説には雄牛は足を蹴り上げて攻撃し、熊は体を下のほうに丸く屈めながら攻撃するから、だそうです。

日本でも、金融に携わる人と話をしていると、次のような発言をよく耳にします:

A:「今の株価の買い戻しは <bear market rally (ベア ・ マーケット・ラリー)>だね」
B:「じゃあキミは <bearish(ベアリッシュ)>な見方なんだね。そうだね、 多分 <bear market rally>  のなかで <bullish (ブリッシュ)>  な人たちが <bottom out(ボトムアウト)> したって考えて買ってる、一時的な買い戻しなんだろうね」

以下英語:

A:The current rally is a bear market rally.
 B:So you have a bearish view, then. Well, perhaps it's a temporary rally in which bullish people are buying thinking that we've bottomed out.

bottom out  (価格・相場などが)底をつく,底をついて横這いになる

bear market rally とは、基本的に下向きの市場状況で株価が下がり続けている中、ちょっと上がることを意味します。rally は金融では株価・相場などの回復・反発のことです。

「市場」が全体的に bear であるということは、景気は下向きで、当面回復しない下がり基調だということです。 bullish market は逆に、いけいけドンドンの上がり基調の市場のこと。

職種で言えばアナリストは一般的に <bearish>  で、トレーダーは<bullish> な見方をする傾向にあると言われています。実際の取引をする人は攻めていきたいけど、きちんとリサーチをしているアナリストからすると、もう少し慎重になってくれ、という心理が働くのでしょう。

また、人に対して:

・He is such a bull.
・He is such a bear.

と言う場合は「彼はほんとに強気な人だ」・「彼はほんとに弱気な人だ」と訳すことができます。

ただ、<bull/bear> は日本語よりも「過剰に強気・弱気」になっていることをややネガティブに表す傾向があり、相手をやんわりと中傷する意味がこめられていることが多いです。実際に使う時は少し気を付けた方がよいでしょう。

Wall Street Journal 紙の記事は、景気が「まだ下がり続ける」と見るのか、あるいは「もう底を打って、これからは上昇する」と見るかで意見が分かれている、という内容のものでした。

明るいニュースもぽつぽつと聞かれるようにはなったものの、金融界の生の声を取材してみると、 やはり現状では bullish な見方を持つエコノミストは次のように言われてしまう可能性が高いように思います:

How can he be always so bullish when he's been wrong all the time?
(今までいつも間違えてばかりいたのに、一体どうしてあれほど常に攻めの姿勢でいられるんだろうか)

さて、あなたは今の市場が <bear(下がり基調)>だと思いますか、それとも <bull(上がり基調)> だと思いますか?  何と言っても私たちの生活はそこにかかっているのですから。

So, do you think we've got a bear market or bull market?  After all, our lives depend on it.

でもこれだけ世の中 <bearish(弱気)> になっていると、 気持ちだけでも <bullish(強気)>  で行ってガッツを出すべきなのかもしれません。