cute ≠ キュート? hotは女性に使うと火傷する?!
<モテ>にまつわるカタカナ英語
異性関係にまつわる言葉というのは、どの文化においてももっともビミョ~なニュアンスが求められるものです。
その「ビミョ~さ」自体は、実は万国共通なのですが、問題は「どう表現するか」。一歩間違えると大問題に発展しかねないだけに、基本は抑えておきたいところ。今回は、いくつかのキーワードを考えてみましょう。
まずは cute。
あなたが男性なら、女性から「キュートだわ!」と言われたらどう受け取りますか?
「カワイイってこと?」と思うことでしょう。「でもそれって…男なら男らしく思われたいし、ちょっとビミョー…」そんなふうに感じるかもしれません。
だけど、アメリカでは
と言うと、女性が男性に向かっていう時は、これ以上のホメ言葉はないと言っても過言ではないくらいです。
ちょっと意外に思いませんか? アメリカ人女性が男性に対して使う cute には日本語の「モテ」が相当含まれています。いわゆる「カッコいい」に「母性本能をくすぐるタイプ」が加えられ、更に「セクシーさ」まで入っている。
「カッコカワイイ」という感じでしょうか。ですから、アメリカ人女性から、
と言われたら、半ば告白されているというか、若者言葉で言う「コクられている」ぐらいだと受け取ってもいいでしょう。
「キュート」はカタカナ英語としても使われていますが、日本語カルチャーの中では、ネイティブ女性が男性に対して使う「モテ」の意味はあまりないんですよね。
ところが、注意しなくてはいけないのは、これが女性に対して使われた場合。ネイティブ男性が、女性に対して、
と言った場合は、男性に対して使われるときよりもホメている度合いは低くなるように思います。
それが何故なのかは私にもよくわからないのですが、女性に cute という形容詞を用いることは、まぁありがちというか、普通のことだからなのかもしれません。
アメリカ人男性が、同僚に女性を紹介され、
What do you think of her?
(彼女のことどう思う?)
と聞かれ、
と答えたら、その時の表情にもよりますが、「カワイイ!」というよりは、「まぁ、悪くないんじゃない?」くらいに受け取っておいた方が無難でしょう。
では、cute に相当するくらい「ホメ」の度合いが強い、女性への「ホメ言葉」とは何でしょうか?
一言で言えばそれは、attractive です。
もともと、attract という動詞は「引き寄せる・引きつける」という意味ですから、attractive は文字通り「魅力的で惹かれる」ということになります。
先ほどの状況で、紹介された男性が、
と言った場合。
「かなりイケてる」ということになります。
attractive の意味をおさらいしてみましょう:
attractive
<人・微笑などが>(外見から見て)[人に対して]魅力的な、あいきょうのある
(ジーニアス英和辞典より)
もともと女性に対して使われるのが一般的だったようですが、最近は男性にも用います。
ただ、これまた男性と女性では attractive の重みや性格が変わってきます。女性が、男性のことを
と言うなら、これはかなり「積極的な発言」と言えます。というのも、attractive は「性的な魅力」を含むからです。
今のように女性の社会進出が進むまでは、「性的魅力」について「品定め」することは、言ってみれば「男性」の特権と言える時代が長らく続いていました。
ですから、女性が男性をに対して attractive を使うことは、とても「現代的」な現象と言えるでしょう。
さらに進み、 現代アメリカ人女性は男性に対して hot を連発するようになりました。
hot は「熱い」ですから、 「体が熱くなるくらい性的魅力にあふれている」(キャー! 笑)ということ。
女性が男性のことを、
と言う場合は、人格的な魅力はまったく含まれず、完全に肉体的・性的魅力に限定されたホメ言葉だと捉えてまず間違いないでしょう。
もし、アナタがネイティブ女性にこう言われた場合は、「まぁ悪い気持ちはしないけど、僕の人格はどうなわけ?」という軽いツッコミを入れておくくらいがちょうどいいかもしれません。
気をつけておかないといけないのは、職場で、男性が同僚の女性に対して hot という形容詞を使ってしまうと、その「性的意味」があまりに露骨なために、「セクハラだ!」と訴えられかねないくらい、不快感を与える表現=offensive expression となってしまう可能性が大きい、ということです。
アメリカ人は特にこういった「言葉の性差別」に対して敏感ですから、外資系企業にお勤めの方はご注意を。
ちなみに、同じ「魅力的」を意味する英語でも、charming には「性的魅力」は基本的に含まれません。
と言うと、「彼女はイイ子だと思う」にもう少しだけ日本語で言う「カワイイ」が加わったくらいのホメ言葉になります(ただの「イイ子」だと、日本だと「よくも悪くもない」というふうにも受け止められますからね)。
ただ、この charming をカタカナ英語として使用する場合は、かなりネイティブのニュアンスが忠実に反映されているのではないでしょうか?
「あの娘はチャーミングな子だよね」と言った場合、「魅力的に感じる」という感情が強く入っているように思います。
このように、日本語でも通用する英語、カタカナ英語や、いわゆる「和製英語」などは、英語では意味が違ってしまうものもある一方で、うまい具合に使いまわしが利くこともあります。
次回は smart や cool といった日本語でも一般的に使われるカタカナ英語や和製英語を検証してみたいと思います。
キュート、チャーミング、あるいは cute、charming、attractive、hot のどれがいちばん言われて嬉しい言葉でしょうか? 同様に、You are cool. と You are smart.では、どちらが嬉しいか、次回までにちょっと考えてみておいてください。







