I Before E Except After C♪
覚え歌で攻略する英語スペリング
英語のスペリング(つづり方)というのは身に付いてしまえば日本語の漢字や送り仮名よりも簡単です。
でも「例外」= exception が多いので、 たくさん読んで書いて覚えるしかありません。それは、アメリカ人にとっても同じで、やはり覚えにくいスペル(つづり)はあるようです。暗記を助けるための mnemonic rhyme =「覚え歌」、が存在するのです。
いちばんよく知られているのがこちら:
I before E, except after C.
(Cの後をのぞいてIはEの前)
声に出して見ると、リズムがよくて覚えやすいのがわかりますね。
たしかに、
siege =「包囲」
friend =「友達」
などは<I>が<E>の前にきます。
でも receive deceive ceiling などは<E>が<I>の前に来るので、混乱しがち。
それを、 I before E, except after C. と覚えます。
この覚え歌にはさらに発展形があります:
I before E, except after C, and Weird is just weird.
(Cの後をのぞいてIはEの前、WEIRDはやっぱり変だ)
weird は<奇妙な>、<おかしい>、<変わった>という意味なので、 weird は<変>だから<例外>ということです。他に も:
I before E, except after C, or when sounded like A as in Neighbor or Weigh.
(IはEの前、ただしCの後と、「ネイバー」や「ウェイ」の「エイ」みたいに聞こえたときは例外)
<E>と<I>の組み合わせを<A>(エイ)と発音するときも例外で<E>が先に来るということ。
他にも、間違えやすいスペルとしては、<S>が二つあったりなかったりするものがあります。
たとえば甘い<デザート>の dessert と<砂漠>の desert は:
The sweet one has two Sugars.
(甘い方は<S>ugar が二つ)
<甘い方>とは食後の<デザート>の方で、こっちに<甘い><砂糖>を二つ入れる、 <Sugar>の頭文字<S>は<二つ>だから dessert と覚えられます。
success と necessary も、<C>がダブルだったのか<S>がダブルだったのか分からなくなりがちですが、こう覚えればもう怖いものなし:
Only one C is Necessary, but use two for success.
(<C>は一つしかいらないが、成功(success)するためには二ついる)
成績の<C>で言えば、ちょっとくらい苦手分野があったほうが可愛げがあって成功する、ということでしょうか(笑)。
いらない文字を足してしまったり、逆に必要な文字を忘れたりしがちなスペルは他にもあります。
argument =「議論」は、間違えて<E>を足してしまって【× arguement】と書いてしまったり、逆に cemetery =「墓地」は<E>を忘れて【× cemetry】と書いたり、 <E>の代わりに<A>を入れて【× cemetary】という間違いを犯しがちです:
○argument/×arguement
I lost an ‘E’ in an argument.
(議論で<E>をなくしてしまった)
×cemetery/×cemetry
She cried ‘EEE!’ when passing a cemetery.
(お墓を通る時、彼女は「EEE!(い~い~ぃ!)」と叫んだ)
ユネスコ、UNESCO (United Nations Educational, Scientific, and Cultural Organization)などの頭文字を取ったコトバを acronym =「頭字語」といいますが、このようにしてスペルを覚えるやり方もあります。
たとえば既にご紹介した necessary はネイティブにとってもかなり難しいようで、 acronym バージョンもいろいろあります:
Necessary:
Not Every Cat Eats Sardines (Some Are Really Yummy).
(すべてのネコがイワシを食べるわけではない(でも美味しいイワシもある))
Necessary:
Never Eat Crisps, Eat Salad Sandwiches, And Remain Young!
(ポテトチップスは絶対食べないで、サラダ・サンドイッチを食べていつまでも若く!)
日本語に直すとあまり意味はありませんね(笑)。他にもいろいろあります。
Argument: A Rude Girl Undresses; My Eyes Need Taping.
(失礼な女の子が服を脱ぐ、目隠しが必要だ)
Because: Big Elephants Can Always Understand Small Elephants.
(大きなゾウは小さなゾウのことをいつも理解できる)
Ocean: Only Cats' Eyes Are Narrow.
(細いのはネコの目だけだ)
Rhythm: Rhythm Helps Your Two Hips Move.
(リズムはお尻を動かす)
このように、意味のある覚えやすい文章にして、その頭文字をつづっていくと単語になる、という仕組みです。楽しく正しいスペルを学習することができますね。
また、いちばん簡単なのは、苦手なスペリングは、「書いたとおりの発音」で覚えておく、というもの。
私は、 Wednesday を書くときは今でも必ず頭の中で「うぇどねすでい」と発音して書いています。たとえば哲学者のニーチェもスペルが難しいので、「にえつちぇ」と自分で発音しながら書くと、 Nietzsche と正しく書けます。
アメリカの子供も、 Mississippi を正しく書くために、 Mis, Sis, Sip, Pi と音節に分けて発音しながら書くように、と教えられますので、「書いて字のごとく」<読んでみる>のはかなり効果的だと思います。
番外編として、 知識の面でも役に立つ acronym を二つご紹介しましょう。
虹の色の順序:Richard of York Gave Battle in Vain
--Red, Orange, Yellow, Green, Blue, Indigo, Violet
(ヨーク公リチャーの戦争はむだに終わった
―赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)
太陽系の惑星の順序:My Very Easy Method; Just Set Up Nine Planets
--Mercury, Venus, Earth, Mars, Jupiter, Saturn, Uranus, Neptune, Pluto
(私のごくごく簡単な方法:ただ9惑星を掲げるだけ
―水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)
思えば mnemonic rhyme =<覚え歌>の mnemonic も、発音は<ニーモニック>という発音とスペリングが一致しない難しい単語です。
最初の三文字のつづりを忘れないために、こんな覚え方はどうでしょうか:
<Motto もっと><Nande なんで><Easy イージー>にならないかなぁ~。
こんなふうに、いろいろとご自分で新しい覚え方を考案してみてはいかがでしょうか?