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2008年2月 6日 (水)

その「ありがたみ」に用がある! ―“appreciate”

今回は appreciate です。

appreciate は「感謝」にとどまらず、「理解」「認識」「価値の 高騰」「批評」と、意味に広がりがあることを前回ご説明しました。appreciate の意味を再確認しましょう。

appreciate
《自動詞》価格が上がる 《他動詞》(1)高く評価する;鑑賞する (2)感謝する (3)認識する;判断する (4)価格を上げる      
E-DICより

なぜこんなに広がりがあるのでしょう?

appreciate の語源に秘密があります。 appreciate は、

appretiare = to value =「価値をつける」「評価をする」

という意味のラテン語から派生した言葉です。

appreciate の後半部分、 preciate はラテン語の pretiumprice =「値段」から来ているのです。

そもそも appreciate とは「値段をつける」「値踏みする」という言葉なんですね(ちなみに、「価値が高くて貴重な」という英単語 precious も同じところから来ています)。

ここから、「価値のわかる」「高く評価する」をも意味するようになりました。

値段だけでなく、芸術や人の親切などの、数値ではかることのできない物事の「価値がわかる」も appreciate で表現できます。

Ya_2He has a great appreciation of poetry.
(彼は詩への深い造詣がある)

鑑賞力がある、ということで芸術全般に appreciate が使われているときは「造詣が深い」と訳すのがしっくりきます。

「価値」という根っこのところで共通点があるからでしょうか、「ありがたい」と appreciate はとても仲良し。

appreciate を使うことによって、とても「日本的」な表現をうまいぐあいに英語にすることができます。

たとえば、「ありがたい」を使うことによって表現をすこし婉曲化することがありますが、 appreciate にも同じ効果があります。

仕事の取引先にどうしてもなにかをしてほしい場合でも「~していただけると<ありがたい>のですが…」というきわめて「日本的な物言い」をするのも、 appreciate を使えばお手のもの:

Ya_2Would you like to have this information passed on to our President?
(この情報をわが社の社長に伝えたほうがいいでしょうか?)

Ya_2I'd greatly appreciate it if you could do that.
(そうしていただけると非常にありがたいです)


Ya_2I'd appreciate it if you could keep this matter a top secret and not tell anyone.
(この件をトップシークレットにして他言しないでおいていただけるとありがたいです)

本当は、「非常にありがたい」どころか「絶対そうしてほしい」わけですが、そこを「オトナ語」では「ありがたい」を使います。

ビジネスで役立つ、「オトナ」な appreciate の使い方は他にもたくさんあります:

Ya_2I realize it's a lot for me to ask of you, but if it's possible, I'd greatly appreciate it.
無理を承知でぜひお願いしたい)

Ya_2 a lot for me to ask you は直訳すると「私はあなたに頼みすぎている」ですから、そのことを realize 、つまり「承知」しているということで「無理を承知」となります。

Ya_2I'll do my best to accommodate your wishes in this matter.
(この件に関しては、あなたの意思に沿うように努力いたします)

Ya_2I'd greatly appreciate it if you'd give it careful consideration.
(前向きにご検討いただけますと非常に幸いです)
(良いほうに考えていただけるようお願いします)

Ya_2We really appreciate your taking the trouble
to come and see us today in spite of your busy schedule.

(本日は大変お忙しいところわざわざお越しいただきまして恐縮です)

「~していただけると<ありがたい>」だけでなく、 appreciate「幸いです」といったやや「あらたまった」日本語と近いニュアンスを伝えることがでるという優れもの。

Ya_2You are one step closer in mastering English if you learn to appreciate the splendid power of the word <appreciate>!
(<appreciate>という言葉のすばらしい力のありがたみが分かるようになれば、
 あなたは英語の達人に一歩近づいたことになります)

日本語の「ありがたい」も、なにかに「価値がある」ということが分かる、ということ。だからこそ「ありがたみ」という「価値」とほぼ同義の言葉があるのでしょう。

「物事の価値」という言葉が「感謝」につながるという現象は、英語でもまったく同じなのですね。

ということで…

Ya_2I appreciate your patience of sticking to the very end!
(今回最後まで辛抱強くおつきあいいただいてまことに
「ありがとう」ございました!)