ネイティブにホメられる英語
アメリカ人でも間違える英語を正しく使おう
「日本語ブーム」は相変わらず続いています。
正しい日本語を美しく使いこなしている方に出会うと、「きっとこの人は日本語に限らず、仕事やプライベート、いろいろな面できちんとしている人なんだろうな、知的だな」と感心させられますね。
英語でも同じことが言えます。アメリカのニュースアンカーでも間違えることがある表現を日本人が正しく使っていると、かなりポイントは高いでしょう。
ちょっとした表現を正しく使うだけで、ぐっと自分の評価を上げられるなら、これは覚えない手はありません。
まずアメリカ人でも間違えて使っている確率が高いこの表現をご紹介しましょう。
Couldn't care less.
(全然気にしない、まったくかまわない、全然気にしない)
これを見て、「あれ?自分が覚えているのと違うな」と思われた方も多いかもしれません。というのも、アメリカでは最近、 could care less がけっこう一般的になってきているからです。正しいのは、否定形の couldn't care less 。
これは、たとえばこんな場面で使います。
Jesse: Did you hear that Chris, your ex, is filing for divorce?
(ジェシー:あなたの元彼のクリスが離婚を申請してるって知ってる? )
Sara : I really couldn't care less about him anymore.
(サラ: 彼のことは本当にもうどうでもいいの)
さて、 この会話でなぜ could care less と言った場合に間違いなのか。この成句の構造を考えてみれば一目瞭然です。
「どうでもよくない状態」、つまりある程度の care がある状態があると仮定しましょう。
下の【A】~【B】の線を care がある状態を示すとして【A】を care がゼロである点とします。【B】に近づくと、矢印の方向に care が増えていくと考えてください。
care 0【A】→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→【B】
could care less な状態ですと、上の線のどこに気持ちがくるでしょうか。
care 0【A】→→→【★C】→→→→→→→→→→→→→→→→→→→【B】
気持ちは【C】にあります。
【C】よりも更に could care less なので、元彼に払う care が今よりも少なくなることが可能です。
元彼が「どうでもいい」ことには理論上なりません。 care できる気持ちが元彼に対して残っていることになりますから。
では、いま現在のサラの元彼への気持ち= couldn't care less =【D】はこの図で表すとどうなるでしょうか。
care 0【A=★D】→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→【B】
こうなります。つまり、「もうそれ以上 care できる気持ちを減らすことができない、まったく気持ちがないところまで」サラの元彼へのテンションは下がっているのです。
ここから、 couldn't care less は「どうでもいい」「全然気にしない」という意味になります。
ということで、「どうでもいい」ことを表現するために I could care less と言っているネイティブの人をよく見かけますが、 これはまったく逆のことを言ってしまっていることになるので、間違いです。
仕事関係の会話でもとても使いやすい表現なので、使ってみてください。たとえば、ある企画が通らなかったことに関して、あなたがもうどうでもいいと思っている場合:
I couldn't care less about that project, it wasn't fit for the market from the very beginning※.
(あの企画のことはも全然気にしてないよ、もともとマーケットに合ってなかったんだ) ※the beginning に very をつけて the very beginning にすると、「始まり」を強調することができます。「はじめから」「おおもとから」「はなから」という感じになります。
このように couldn't care less と正しく使うと、 きっとある程度の教養があるネイティブの人は
This person knows how to speak good English.
(この人はちゃんとした英語を話せる人だ)
と思ってくれること請け合いです。
最後にもうひとつ、ネイティブが間違える英語をご紹介しましょう。
それは、 compose/comprise の違いです。
これは、テレビのアンカーでもよく間違えていて、最近では間違いの表現でも通用するようになってきていますが、それでも、正しい表現を使うととても知的に聞こえるので覚えておいたほうがよいでしょう。
compose は【<部分>が<全体>を構成する】という意味です。
The Nippon Television is composed of the network stations across Japan.
(日本テレビは全国の系列局によって構成されている)
一方、 comprise は【<全体>が<部分>を含む、<部分>からなる】という意味です。
The Nippon Television comprises the network stations.
(日本テレビは系列各局から構成される)
ですが、最近、 compose と全く同じように comprise を使う表現が最近では増えています。たとえば、
×The Nippon television is comprised of the network stations.
この使い方は、最近では英和辞書でも載っていたりしますが、本来は間違いなのです。 comprise は、(部分を)「含む」という意味だからです。
compose の場合
日本テレビ [is composed of] [A局、B局、C局、D局…]
→日本テレビは、A、B、C、Dという各局によって「構成される」
comprise の場合
日本テレビ [comprises] [A局、B局、C局、D局…]
→日本テレビは、A、B、C、Dという各局を「含む」
The Nippon television [×is comprised of] the network stations.
は間違いで、正しくは、
The Nippon Television [○comprises] the network stations.
となります。
以下の例文を頭に叩き込んでおけば、覚えやすいかもしれません:
A company is composed of employees.
(会社は社員によって構成される)
A company comprises employees.
(会社は社員を含む)
意味としては、 is composed のほうが「社員」が会社の構成要素として独立した強い存在の印象を与えます。 comprises は、 より「会社」の存在感の方が強くなり、社員は単なる「部品」的な印象のほうが強くなります。
これは昨今話題になっている「会社とは何か」という問題にも通じるものがありますね。
Does your company comprise you just as a component, or do you feel like it's yourself who compose your company?
(あなたはご自分の会社に含まれる単なる部分ですか、
それともあなたこそが会社を構成しているのだ、と感じますか?)







