その気なんの気、気になる「気」“care”“mind”
台風と梅雨前線のおかげで、日本列島はすっきりとしないお天気が続いています。低気圧のときって体が重くてやる気が出なかったりしませんか?
そんなわけで今日は「やる気」のない系の英語をまずはご紹介しましょう(笑)。
たとえば、ず~っと雨だし、仕事はたまってるし、冷房のせいで風邪を引いてるわで、なんだかもう踏んだり蹴ったり(click!)な気分の時、同僚に「大丈夫? 顔色悪いよ」と声をかけられたとします。
あまりのテンションの低さに改めて指摘されるとムカつく、なんていうときもあります。するとあなたは、「うるさいなー。関係ないでしょ」と答えます。
これをどう英語で express しますか?
まず、「大丈夫? 顔色悪いよ」は
What's wrong? You don't look very well.
あるいは
Are you alright? You don't feel well?
でもいいでしょう。
What's wrong? は文字通り「何かおかしいの?」ですね。 体調だけではなくて、誰かが落ち込んでいたり、ちょっといつもと様子が違うときにその人を「気遣う」ときに用います。
答えは、
これは「何であんたが気にすんのよ!」ということです。でも日本語でしっくりくる表現に直すと「関係ないでしょ!」あるいは「ほっといてよ!」がいちばん近いでしょう(注:これはあくまで「感じの悪い」答えですからお「気」を付けください。Be CAREful!)。
類似の表現では Who cares? があります。直訳すると「(そんなこと)誰が気にするっていうのよ?」ですが、「どうでもいい」です。いろいろ組み合わせてみましょう:
Colleague A:Don't you think something's wrong with Michael? He doesn't seem very well.
(同僚A:マイケルはどうしたのかな、具合が悪そうだよ)
Colleague B: Who cares? Mind your own business /or/ It's none of your business.
(同僚B:そんなのどうでもいいでしょ。あなたに関係のないことよ)
Mind your own business.
It's none of your business.
これらは、あなたにまったく(none of)関係ない<事柄/案件(business)>でしょ、ということで「関係ないでしょ、ほっといてよ」という意味になります。
care は元々、古英語の caru =「苦しみ、悲しみ、悩み、心配」を意味する言葉から派生しています。この「悩み」から「気にかける」や「用心する」という意味も出てきたんですね。たとえば最近話題の「終末期医療」も英語だと terminal care ですが、「最後」の「苦しみ」を「ケア」する、ということで、 care の語源に適した使い方と言えるでしょう。
care は to be mindful of~ =「~について気にかける」と表されるように( wiktionary より)、 care と mind は密接な関係にあります。
この mind は日本語の「気にする」にとても近いコトバです。たとえば、カフェで自分のグループの椅子がひとつ足りないとき、隣のテーブルに一人で座っている人から椅子を譲ってもらいたいときってありますよね。そんなとき、椅子を指さして
と聞けば、
No not at all! Sure, go ahead.
(全然気にならないです、どうぞどうぞ)
と答えが返ってくるはず(普通にイイ人なら…)
Do you mind? には if I borrowed your chair? =「椅子をお借りしたら」が省略されています。
「椅子をお借りしたら気にされますか?」→「椅子をお借りしてもよいですか?」ということになります。
Do you mind? と言うたびに「これってすごく<日本的>な英語だなぁ~」と思っていました。
私たちは日々の生活で「気」というコトバをよく使います。「気を使う」「気をもむ」「気に病む」「気にする」、あるいは「気にしない」。
英語で「気」と非常によく似た形で何気なく会話の中に出てくるのが mind と care なんです。上司にこっぴどく叱られ、同僚に「気にするなよ」と慰められたとします。いちばん一般的なのは
Don't take it too seriously.
(あまり真正面から受け止めるなよ)
もうすこしあらたまった表現では、 weigh on one's mind 。
Don't let what he said weigh on your mind too much.
(あまり彼が言ったことを重く受け止めるなよ、気にするなよ)
「気を遣う」はもともと、初対面の人間に対してバリアーのように実際に「気(エネルギーみたいなもの?)」を発してある種の警戒をする、相手にもし「悪い気」があったらそれが自分に侵入しないようにする、という伝統がかつて日本にあったところから来ているようです。
そういうふうに「気」というコトバを捉えると、私たちは普段から相当な超能力を発揮していることになりますね(笑)。
英語を生んだイギリスは「マジック」の国でもありますから、意外に「気」と care、mind には深いところで共通点があるのかもしれません。
以上、 Can't get the new Harry Potter book off my mind. =「ハリー・ポッターの新しい巻が気になってしょうがない、頭から離れない」七尾より。







