「残念!」の言い方いろいろあります
ちょうど一週間ほど前にアカデミー賞の取材でアメリカに行っていました。残念ながら、われらが日本の新星、菊地凛子さんの『バベル』における助演女優賞受賞はなりませんでした。
「残念」を英語ではどう言えばいいのでしょうか。
いろいろと「残念」のニュアンスをあらわす言葉はあります。
regrettable, unfortunate, unlucky, pity, afraid, bad, sorrow, shame, sad, lament
…
でもこうやって並べてみても、いったいどうやって「残念」を表現すればいいのかまったくわかりませんよね。単語によって使い方も伝えられるニュアンスもまったく違います。
まず最初のregrettable。非常にかたい感じがする単語です。
よく国際会議などでうまくいかなかったときに、政府高官が使います。たとえば、以前お話し申し上げました、昨年の「交渉決裂」という見出しが紙面に躍った北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議。各国代表は英語で次のようなコメントを各所で発表していました。
It is regrettable that we could not reach any agreement.
(なんらの合意に達することができなかったのは「残念」です)
ただこの場合、「残念」よりは、よく政治家などが使う「遺憾」に近いですね。
より「残念」感を出すには、unfortunate。
海外出張で成田空港に到着し、航空会社のカウンターの前に立って「予約した七尾です」と言うと、航空会社の方にこう言われたとします:「残念ながらお客様のお名前は予約リストにございません」
英語ですと
Unfortunately, your name is not on our reservation list.
これは「申し訳ございませんがあなたの名前は予約リストにございません」とも訳せます。これと同じ意味を、上に挙げた他の単語を使っても伝えることができます。
I'm afraid of/for/about。日本人には手ごわい表現です。
I'm afraid your name is not on our reservation list.
私が初めてこれを聞いたときは「この人は何を怖がっているんだろう?」と頭の上に大きなクエスチョン・マークが浮かびました。というのも、同じ afraid を使った表現なのに、
A is afraid of B =「AはBを恐れている」
と
A is afraid for B =「AはBを気遣っている」
A is afraid about B =「AはBを心配する」
はだいぶ意味がちがいますね。
You must be afraid of ‘preposition’!
(英語の前置詞はとってもこわ~いのです!)
この場合は「あなたは前置詞を【恐れる】べきです!」です(笑)。
ただ、恐れるだけではなく、 You must be careful, too. と言うことで誰かに気遣いながら「残念ですが…」という意を伝える場合にも afraid という単語を使うのです。 「あなたのことを気遣っている」「お伝えするのが控えられるが」「申し訳ありませんが」という大変丁寧な表現です。
ほかにも afraid と似たような形で「残念」を伝える表現はいくつかあります。たとえば、航空会社の手違いで飛行機に乗ることができず、大事な商談を逃したとしましょう。先方の会社の担当者から次のように言われます:「あなたが来られなくて非常に残念です」
It's a pity that you could not come.
# come のかわりに make it を使ってもいいですね。これはなにかを「実現」する意味になりますから、 you could not make it でもこの場合は、訪問が実現せずに、となります。
Too bad you couldn't make it.
(来られなくて残念だね)
#この too bad は、よりフランクな表現ですので、先方と親しい場合ですね。
It is a sorrow that you could not come.
(あなたにお越しいただけなかったのは非常に遺憾です)
#この表現はより格式ばった感じになります。あえて言うなら、「惜別の感」とでも言えばいいでしょうか(笑)。シェイクスピア劇で出てきたりします。相当「残念」だったのでしょうか。
It's such a shame that you couldn't come.
#こちらも afraid と同様に私たちにとっては難物ですね。 shame を「恥」と覚えている場合、こう先方に言われたら、航空会社の手違いで行けなかったのだから別に自分が悪いわけではないのに「あなたが来られなったのはなんて恥ずかしいことだ」? なぜこうまで言れなければいけないのだ、と憤慨するかもしれません。そんな勘違いをしてしまっては大変!
it や that を主語として用いられる場合、 shame は「残念」となり、「恥」ではなくなるのです。向こうはあなたのために「残念」がって下さっているのであって、別にあなたに「嫌味」を言っているわけではありません。
そのほかにも、
Sadly, Rinko Kikuchi missed her first Oscar.
(残念ながら、菊地凛子さんは初めてのオスカー像を逃しました)
We lament that Rinko Kikuchi could not receive the award.
(われわれは菊地凛子さんが受賞できなかったことを残念に思います)
といった使い方があります。上の文も格式ばっている感じですね。
In any case, Rinko Kikuchi's future looks brighter than ever!
(いずれにせよ、菊地凛子さんに関しては今後への期待がふくらみますね!)







