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2016年9月 8日 (木)

スクープ記者が明かす! 「パナマ文書」暴露の経緯

今回の英会話の話題は、『CNN ENGLISH EXPRESS 2016年8月号』のCNNスペシャル・インタビューに掲載されたニュースを元に展開していきます。

Cnnee201608_4 パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から膨大な量の機密文書が漏れ、各国の要人や著名人、犯罪組織などが、タックスヘイブンに設立したペーパーカンパニーを利用して、資産隠しやマネーロンダリングを行っている実態が明らかになった。今年の4月3日、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)によって白日の下にさらされた「パナマ文書」は、「史上最大の情報リーク」とも言われ、メディアは連日報道を行いました。

 

Key Point for Dialogue

2015年に匿名でドイツの新聞社『南ドイツ新聞』に漏らされた文書が世界を激震させました。自国の重税から逃れるためタックスイブン(租税回避地)に籍を移す大企業や富裕層の実態を明らかにするものだったからです。アイスランドでは「パナマ文書」に名前が挙がった首相が退陣し、英国ではキャメロン首相(当時)の亡父の名前が記載されていたことから首相の相続について疑惑が深まり、反キャメロンであるEU離脱派を勢いづかせたとも言われます。「パナマ文書」をめぐる男性社員: Mと同期の女性社員: F の会話です。

Dialogue

F: I was surprised to hear some big Japanese trading houses were named in the Panama Papers. I know offshore accounts in themselves are not illegal, but they do go against the spirit of corporate social responsibility.   

M: But those trading houses have denied that they avoided tax payments in Japan. They insist that they made the investments to do business and that they're paying their proper share of taxes in Japan.   

F: I find that hard to believe. And anyway, companies registered in tax havens can be used not only for tax evasion but also for money laundering. I think all the financial arrangements of prominent figures and companies should be made public.   

M: Well, it doesn't help that the procedures for establishing companies in tax havens can be conducted easily online. Those leaked files contain more than 370,000 names. I guess it'd be quite difficult to lift the veil of secrecy completely.

Vocabulary 

trading house 商社

corporate social responsibility 企業の社会的責任

tax evasion 脱税

prominent 目立つ

procedure 手続き

 

〔ダイアログ訳〕

F: 日本の総合商社がパナマ文書に載っていたのには驚いたわ。オフショア口座そのものは違法ではないのはわかるけど、それにしても、企業の社会的責任の精神に反するわよ。   

M: だけど日本での税金支払い回避は否定しているよ。事業をやるための投資で、日本では相応の税金を負担していると主張しているからね。   

F: 信じられないわ。ま、とにかく、タックスへイブンで登記された会社は、税金逃れだけでなくマネーロンダリングにも使われることもあるのよ。目立った金融操作はすべて暴かれるべきだと思うわ。   

M: ただ、タックスへイブンで会社を設立する手続きがオンラインで簡単にできるのも問題だね。文書には37万を超える名前が載っている。秘密のベールを完全にはぐのは難しそうだね。

 

ワンポイント解説

自国の重税から逃れるためタックスヘイブン(租税回避地)に籍を移す大企業や富裕層は以前から問題視されていましたが、「パナマ文書」はその一端を明らかにしました。問題になった offshore account とは、広い意味では海外に所在している銀行にある口座のことですが、その中でも特にタックスへイブン(租税回避地)と呼ばれる、税制上の優遇を受ける金融特別区(バハマやケイマン諸島、英領ヴァージン諸島など)にある銀行の口座のことを言います。タックスへイブンで登記された会社名義のオフショア口座は税逃れだけでなく、犯罪行為で得た資金を正当な事業活動で得た資金のように見せかけるマネーロンダリング(資金洗浄)にも使われています。

 

今回の「パナマ文書」のリークはオンラインデータで行われました。タックスへイブンでの会社登記もオンライン。ITは何でも簡単にしてしまいますね。

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