Vol.2 『クライマーズ・ハイ』

評者:谷島屋 呉服町本店/原川清美さん
1985年群馬県御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落した。乗員・乗客合わせて520人の被害者を出した史上最大の大惨事となった。
北関東新聞の記者悠木。この事件の全権デスクを任される。事件発生直後は現場が群馬か長野かわからなかった。どこで事件が起きたかによって、地方紙は事件の扱い方が違ってくる。結局、群馬県で起きたことがわかり、そこから超多忙な日々が続く。
続々と送られてくる膨大な情報、時間との戦い、全国紙との争い、社内での派閥争いなど報道の現場がリアルに緊張感をもって描かれていて面白い。
物語の終わりの方で、問題の文章を掲載したことで退社か、遠くに飛ばされるかの選択を迫られた時、部下の言葉で会社に残ることを決心する。その一言に思わず涙が出た。
そして悠木は事故前、親友の安西と衝立岩に登ることを約束していたが、悠木はこの事故で、安西は病気で倒れ、その約束は17年後に安西の息子と登ることになる。実はこの山に登る前に悠木の息子が父親のためにハーケンを打ち込んだことを知り、それまで息子との関係に悩んでいた悠木は今までのわだかまりが解けていく。そこに親子の絆を感じた。
この物語は事故のことだけでなくいろんなことを考えさせてくれる。
7月から映画の公開が始まっていて、この世界をどう映しているのか大変楽しみにしている。
2008/07/24

